森の中で使ってみる
森林資源を使ってみる #4
森で使うと言っても、ここで紹介する2つはいずれもスマートフォンを介して使用する道具です。登山やキャンプなど、森でのアクティビティをサポートするアプリは日々増えていますが、その中でも「このアプリを使いたいから山に入りたくなる」というような、思わず山や森と関わりを持ちたくなる現代的な道具を使ってみました。
人と山をつなぐ現代の山歩きガイド
登山用GPS地図アプリ 〈YAMAP〉
山登りをしている途中、スマートフォンの地図アプリが通信圏外で使えず困ってしまった。多くの登山者がそんな経験が一度はあると思う。YAMAPは事前にダウンロードした任意の登山道周辺の地図とGPSによる位置情報を組み合わせることで、オフライン環境でも現在地を把握し安全な登山をサポートしてくれるアプリだ。
2021年夏より始まった“DOMO”というポイント制度では、アプリを使うことで貯まったポイントを登山道整備事業などへ還元できるようになり、山に登ることで山の再生に参加できるようになった。
アプリを実際に使用してみると、現在地の標高や移動距離、到着予想時間やカロリー計算など、様々な数値が表示され、楽しく安全に登山ができた。
App Store および Google Playストアで入手可能。基本機能を使える無料プランと、全ての機能を無制限に使用できるプレミアムプランが選択可能となっている。
問合せ:株式会社ヤマップ
名前を知り、生物多様性問題を考える
かざすAI図鑑 〈LINNÉ LENS〉
不意に視界に入る鳥や動物にもっと小さな昆虫たち。森で出会う生き物にLINNÉ LENSをかざしてみると、たちまち画面上にその生き物の名前が表示される。近代分類学の父、カール・フォン・リンネの名前にちなんで名付けられたこのアプリは約一万種のデータベースを持ち、過去にユーザーがスキャンした生き物たちは「分類ツリー」に登録され、アプリ内には自分だけの図鑑が構築されていくのも嬉しい。
画像認識はスマートフォン内で処理されるため、深い森や山の奥といった携帯電波の届かない状況でも利用可能。名前を知ることで生き物に愛着が生まれ、楽しみながら生物多様性の問題にも関心を持つことができる。
小さな昆虫なども想像以上に瞬時にスキャン結果が表示され、まるで専門家の目を借りているような気持ちになる。花や植物にも対応準備中とのことで、ますます森に入ることが楽しくなりそうだ。
現在はApp Store および Google Playストアで入手可能。無料のお試しプランでは1日10種類までのスキャンが可能で、490円で買い切りのプロ版では無制限に利用できる。
問合せ:Linne株式会社