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新林

森と香り

植物の幹や枝、葉などから抽出され、香り成分が凝縮された天然の芳香成分である精油(エッセンシャルオイル)。近年、日本各地の林業地でも新たな森林資源の活用法として、木々の伐採の際にそのまま林地に残された製材等に利用できない間伐材や枝葉などの未利用木材を利用した精油づくりがおこなわれています。どの地域でどんな樹種の精油が作られているのか見てみましょう。


全国精油マップ

①フプの森
②Cul de Sac-JAPON(カルデサック-ジャポン)
③北国の森商店
④yaso
⑤ノトノカ
⑥meet tree
⑦KAGYA JAPAN(カグヤ ジャパン)

⑧Yohaku
⑨rin+(リンプラス)
⑩SHIZQ(しずく)
⑪KUSU HANDMADE
⑫阿蘇小国杉のくらし
⑬YAKUSHIMA BLESS
⑭畑里(はるさと)


①フプの森[北海道下川町/トドマツ]

北海道下川町の森林組合が立ち上げた精油事業から始まったブランド。マツ科モミ属の針葉樹であるトドマツの枝葉の精油を使った製品を販売する。「フプ」とはアイヌ語で「トドマツ」のこと。

北海道モミエッセンシャルオイル スタンダード(5ml)
購入先:フプの森

Cul de Sac – JAPON(カルデサック-ジャポン)青森県風間浦村/青森ヒバ

青森県風間浦村の材木屋で生まれ育ったデザイナーが青森ヒバの魅力を広めるべく立ち上げたプロダクトブランド。日本三大美林である青森ヒバの精油は、その有効成分が多く含まれる赤身部分から抽出している。

青森ヒバ精油/HIBA WOOD OIL(12ml)
購入先:Cul de Sac – JAPON

北国の森商店秋田県鹿角市/秋田杉

秋田県鹿角市の林業会社、西村林業が手掛けるブランド。日本三大美林である秋田杉を使った精油を生産する。ほか、秋田県産白樺樹液使用のサイダーなども製造・販売している。

No.2 アキタスギ(5ml)
購入先:北国の森商店

yaso長野県茅野市アカマツ

長野県茅野市を拠点とし、林業の現場で産出される間伐材等を利活用したブランド。八ヶ岳地域を象徴する針葉樹であるアカマツなどの精油を生産する。アカマツはお茶やお香、コスメなどにも展開している。

エッセンシャルオイル 赤松(5ml)
購入先:yaso

ノトノカ石川県能登町/クロモジ

石川県能登町の林業家が里山資源を活用して展開するブランド。日本海側の多雪地帯に生えるオオバクロモジを使用し、バスソルトやサシェ(香り袋)、お茶など、他業界とのコラボ商品開発もおこなう。

ノトノカ エッセンシャルオイル クロモジ(5ml)
購入先:ノトノカ

meet tree岐阜県中津川市/ヒノキ

岐阜県中津川市で100余年続く老舗木材会社が手掛けるブランド。未利用材であるヒノキの枝葉を使った精油などを生産している。ほか、精油を使用したハンドソープやバスソルトなど、化粧品も多数展開する。

ヒノキ葉(5ml)
購入先:meet tree

KAGYA JAPAN(カグヤ ジャパン)静岡県川根本町/天竜杉

静岡県川根本町の茶農家、樽脇園が手掛けるブランド。葉枯らしや天然乾燥など自然に寄り添った伝統的な製法で管理された木材を使用している。ほか、スギやヒノキの食用のおが粉も製造・販売している。

エッセンシャルオイル【SUGI】(5ml)
購入先:樽脇園

⑧Yohaku三重県尾鷲市/尾鷲ヒノキ

400年以上にわたる伝統の薫香技術を持つ、日本香堂が手掛けるブランド。ヒノキの精油には、三重県尾鷲産の尾鷲ヒノキを使用している。枝打ちした枝葉を束ね、先端に火をつけて自然の香りを楽しむスマッジも販売する。

Hinoki (Japanese cypress)(10ml)
購入先:Yohaku

rin+(リンプラス)奈良県下市町/吉野ヒノキ

奈良県下市町で林業を営む豊永林業が手掛けるブランド。密植、多間伐、長伐期を特徴とする吉野林業の手法で成長したヒノキは年輪が緻密で、凝縮されたオイルの含有量は一般的なヒノキの約2倍となる。

ヒノキアロマオイル(10ml)
問い合わせ先:豊永林業株式会社

SHIZQ(しずく)徳島県神山町/神山杉

徳島県神山町で放置林が抱える問題を解決すべく間伐杉を加工した器などのものづくりに取り組む「神山しずくプロジェクト」によるブランド。割れやすく器に活用しづらいスギの中心部から精油を抽出している。

SLEEPING FOREST(5ml)
購入先:神山しずくプロジェクト

KUSU HANDMADE佐賀県神埼市/クスノキ

佐賀県神埼市の中村が、木材関連事業で培った知識を活かして手掛ける、九州産楠のブランド。“虫よけの木”として知られ、強い防虫効果があるといわれるクスノキの精油を製造し、防虫・消臭効果のある雑貨も展開する。

カンフルオイル(10ml)
購入先:ecobito

阿蘇小国杉のくらし熊本県小国町/小国杉

熊本県小国町の森林組合が手掛ける阿蘇小国杉を使用したブランド。付属のディフューザー(木枝)や緩衝材にも小国杉の端材を活用している。ほか、杖立温泉の入浴剤やボディークリームの原料としても使われている。

小国杉エッセンシャルオイル(3ml)
購入先:阿蘇小国杉のくらし

YAKUSHIMA BLESS鹿児島県屋久島町/屋久杉

鹿児島県屋久島町で、全国の作家とコラボレーションし、屋久杉の本質を伝える商品を展開するブランド。貴重な屋久杉のかけらを紙やすりで磨き、一輪挿しやお香立てに仕上げるクラフトキットも手掛ける。

屋久杉精油(5ml)
購入先:YAKUSHIMA BLESS

畑里(はるさと沖縄県石垣島/琉球

沖縄県石垣島に自生するハーブを使用した薬草茶を生産する畑里が手掛けるブランド。ブレンド茶にも使用している、琉球産唯一のマツ科樹木の琉球松を使った精油を生産している。

琉球松 エッセンシャルオイル(5ml)
問い合わせ先:畑里(はるさと)


今回の『新林』第9号では、「⑥meet tree」に精油を使ったブランドづくりについてお話を伺い、精油の蒸留所見学にも行ってきました。同じ樹種でも、採れる場所によって香りに違いがあるのだとか。いろんな産地の精油を嗅ぎ比べてみたいですね。


関連記事
『森と香りインタビュー①:国産材の可能性を追求する老舗企業の、精油を使ったブランドづくり』
『森と香りインタビュー②:製紙用チップから、さらなる価値を生み出す精油づくり』

森と香り 掲載号

新林 第9号の表紙

新林 第9号
ちょうどいい森林資源の使い方

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