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新林

森と合板

森から運ばれた木々の多くは工場で多種多様な建材へと姿を変えます。そんな建材の中でもひときわ複雑な製造工程で生産されるものが「合板」です。通称ベニヤとも呼ばれ、特に木造建築には欠かせません。じつは国内に流通する木の約20%が合板へと加工されています。それでは普通の丸太がいったいどうして合板のように平らで薄く、元々の木よりも幅の広い建材になるのでしょうか。そもそもどんな樹種が合板になっているのでしょうか。知ってるようで知らない合板の世界を一緒に見てみましょう。


そもそも合板ってどう作るの?

①原木調達
合板は間伐材などが主原料。小径木でも余すとこなく有効活用できるのです。

②剥皮・玉切
まずは丸太の皮を剥き長さを均等にカット!剥がした皮は工場の電力燃料に利用する場合も。

③切削
あらかじめ蒸煮場で蒸された丸太の切削がスタート。大根の桂剥きに例えられちゃいます。

④単版積層
ペラペラの単板がたくさんできました。1枚の単板は0.6mm〜5mmぐらいの厚みです。

⑤単板乾燥
乾燥機に通して水分を飛ばしましょう。170℃前後の高温に晒しています。

⑥接着剤塗布
合板の種類に応じて接着剤を選びます。人体に悪影響のある化学物質使用量などの法定基準を順守しましょう。

⑦冷圧・熱圧
まずは常温にて20分程度の仮固定。その後120℃前後の高温プレス機で接着剤を熱硬化させていくのです。

⑧裁断・研磨
合板の四方端をカットすることで規定の寸法に整えます。表面研磨もこの流れでどうぞ。

⑨検査
最後は目視で一枚ずつ仕上がりチェックです。合板の規格はJASで規定されています。

⑩出荷

森と合板 国産針葉樹合板編!

年間300万㎡以上も国内生産される合板のうち、なんと約97パーセントに国産針葉樹が用いられています。しかし一口に針葉樹と言えどもその樹種は多種多様。マツとヒノキでは見た目も性質も大きく異なります。そうしてさまざまな樹種から作られる「針葉樹合板」それぞれのキャラクターを表にしてみました。


参考文献
令和4年度 森林・林業白書 (発行:林野庁)
令和4年木材統計(発行:農林水産省)
合板のはなし (発行:日本合板工業組合連合会)

森と合板 掲載号

新林 第7号の表紙

新林 第7号
木はどこからやって来る?

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