これからの山林とものづくり|ててて協働組合・永田宙郷さん
森林の資源をつかってみる〈インタビュー〉 #1
森林資源を使ったものづくりは、これからどんな意味や魅力が生まれてくるのでしょうか?全国各地の作り手、使い手、伝え手を繋ぐ展示会や販売会などの場づくりを行う合同会社ててて協働組合・共同代表の永田宙郷さんに聞いてみました。
木を使ってものづくりをするにも、鉄と違って溶かして元に戻せませんし、樹脂成形と違って外殻だけ作ることできませんので、素材を贅沢に使う責任あるものづくりだと思っています。そして木には個体差もあるので特性を活かすには知恵と根気が必要です。
そんな木で作られた良いものを手に入れるには、何よりも作っている人や工房に出向くことだと思いますね。現場を訪ねると、材料を丁寧に使っているかとか、愛情持って仕事をしているか、モノとその背景にあるコトを知ることができますし、ストーリーを含めて手にすることが、単に色や形だけではなく、自分にとって良いものになるきっかけだと思います。
以前と違って、工房の見学を許す作り手も増えてきたので、機会を見つけて、ぜひ訪ねていってください。いつどこで誰が、自分のために時間や手間、空間を割いてくれたか、それがわかるものを手に入れ使う贅沢はたまらないものですよ。
永田宙郷さんおすすめのアイテム
四十沢木材工芸のara!
「耳のついた子供用の食器シリーズなのですが、使う時期が過ぎたら、外を削って大人用の食器にしてくれる商品です。人間の成長する時間に合わせて買い換えるのではなくて、ものが変化する。木という素材を大切に扱う四十沢(あいざわ)さんだからこその商品だと思います」(永田さん)
写真最初から:ara! ボウル(9,900円税込)、ara!プレート(9,900円税込)ara!コップ(9,350円税込)
写真提供:四十沢木材工芸
問い合せ:四十沢木材工芸
合同会社ててて協働組合 共同代表・永田宙郷(ながた おきさと)さん
「中量生産・手工業」を掲げ、ててて協働組合を結成。全国各地の作り手、使い手、伝え手を繋ぐ展示会や販売会などの場づくりを行う。「ものづくりは一人で出来るけど、ものをつくり続けることは一人ではできない。繋がる機会をつくることで新しいものづくりの生態系のようなものを生んでいきたいと思います」
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