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新林

山暮らしの道具 KISSA山ノ舎 中谷明史さん

森林の資源をつかってみる〈インタビュー〉 #2

緑豊かな山林を守り、山に生きる人々の暮らしは、外から眺めていてもわからない。
静岡県の天竜で山と街をつなぐ活動を続けながら、山暮らしを始めた中谷さんを訪ね、厳しくも豊かな山の暮らしと、山の必需品について聞いてみました。


中谷明史さんとランドローバー ディフェンダー110 300tdi

僕が山暮らしを始めたきっかけは、2015年に静岡県浜松市天竜区にUターンして〈KISSA山ノ舎〉をオープンしたこと。街と山をつなぐ場所としてさまざまな活動をする中で、「限界集落」や「中山間地域の課題」といった言葉をたびたび耳にするようになったことです。ただその実態はよく知らないし、そもそもどんな課題があるのかもわからない。それならいっそ住んでみようと、実証実験のような気持ちで始めました。

天竜区熊地域にある僕の家では、沢の水を生活用水として利用し、薪ストーブで暖をとって暮らしています。近所の方からは畑の野菜や山菜、秋には鹿肉や猪肉のお裾分けをいただいたり、リスやキツツキを見つけたりと、自然の恩恵を受けて暮らしていますが、山での暮らしの厳しさも痛感しています。特に小さい子どもがいるわが家では、街の暮らしでは想像もしていなかった不便さや危険を感じることもあります。

自分で「何とかする」ための必需品
作業用安全ブーツ / 車

そんな僕の山の生活で欠かせないのが作業用の安全ブーツと車。ブーツは草刈りや地域の消防活動、薪割り、沢の水源を掃除する時など、日常的に良く履いています。足元が悪い場所での作業やマダニの侵入防止としても、生活に欠かせません。車は災害時に脱出でるようにと選んだもの。車にはウインチを搭載しているので、チェーンソーを積んでおけば、倒木などで道が塞がれた時にも対応できます。山では自分で何とかするのが基本なので、道具を乗せっぱなしでも平気な積載量の大きさも頼もしいですね。

厳しい環境に身を置いているからこそ、自分の力で生きる力や、人との繋がりの大切さを日々感じています。そういった自分が当事者として感じたことを基点に、山の暮らしをより良くするための活動をこれからも続けていきたいと思っています。


中谷明史さん
1990年静岡県浜松市生まれ。2015年、静岡県浜松市天竜区に〈KISSA山ノ舎〉をオープンして以来、無人駅の駅舎を改装した〈駅舎ホテル INN MY LIFE〉の運営や天竜エリアのリノベーション事業、情報発信に取り組む。2019年より天竜区熊で山暮らしを開始。2020年よりNCMの木こり活動をサポートしている。

地元の食材を使った〈KISSA山ノ舎〉特製ランチボックス「森のおべんとう」

山暮らしの道具 KISSA山ノ舎 中谷明史さん 掲載号

新林 第4号の表紙

新林 第4号
森林の資源をつかってみる

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