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新林

天竜の木を使ってみる(オーガニックアロマミスト編)

木こり活動レポート #7

今回の木こり活動は、天竜の森の伐り捨て間伐材(スギ・ヒノキ)の葉と、同じく天竜産の木材チップからエキスを抽出した、オーガニックアロマミストづくりです。森の資源をつかい、生活に潤いを与える製品開発の様子をお届けします。


2022年12月9日、静岡県浜松市天竜区の熊(くんま)地区で、チェンソー伐採体験を実施。自分たちで伐採した間伐材からスギ・ヒノキの葉を収穫しました。枝葉を丁寧に落とし、アロマ抽出に最適な20~30cm程度の大きさに整えました。冬の葉は花粉量も少ないため材料として向いていることもわかりました。また地元製材所〈フジイチ〉さんに協力いただき、スギ・ヒノキの背板部分(製材)から木材チップを調達し、アロマエキス抽出用の材料を揃えました。

間伐から収穫したスギ・ヒノキの葉 

2023年1月16日、〈縁起(えんぎ)の糸〉加藤さんをお招きして、抽出した「原液」の香りを確認し、調香の方向性を決めるための「香りのワークショップ」を開催しました。また同時期に京都・細見美術館で開催された特別展「香道 志野流の道統」にて志野流香道若宗匠の蜂谷宗苾(はちやそうひつ)氏の解説を聞くことができ、日本の香文化の起源を理解することができました。

香りのワークショップ

今回の調香は、自然素材の良さを生かしながらスギ・ヒノキの臭みやえぐみを抜き、森の中を歩いて聞こえてくる音や山を抜ける風を感じるような、複雑な香りに仕上げました。また少量生産のため、収穫した季節によって材料の特性が異なり、生産ロットによって少しずつ違う「一期一会」の香りを提供するものとなりました。

またパッケージには、デザイナー桑田亜由子さんに地域の山々が雲海の中に浮かんでいるようなデザインを考えていただき、森の資源から生活に潤いを与えるアイテム「やまとあいだ 天竜/熊」が完成しました。

5月17日、大阪オフィスのリニューアルに併せ、限定オーガニックアロマミストとしてお披露目しました。


感じたこと、その先へ
木こり活動に参加したメンバーによるリレーコラム

木こり活動で間伐した資源を活用し、アロマミストを製作することを体験しました。山を守る人、木を伐採する人、樹木をチップにする人、チップからエキスを抽出する人、香りを整える人、パッケージをデザインする人、森の資源という言葉のもとに、たくさんの方々に協力していただきながら、丁寧なプロダクトをつくりあげることができました。アロマミストを通して、山のストーリ―を多くの方々に伝え、山との関わりがなかった方々を山に繋いでいく。そんな役割が自分にできることだと感じました。
 人工林にある木の1本1本が、誰かの手によって植えられたものだと想像すると、樹皮を含めて大切に使いたいと思いました。もちろん日本の人工林は人の手を入れる必要があることは認識していますが、グローバルな視点で世界を見渡した時に資源の有限性が議論されていることを意識しながら、小さなアクションを積み重ねていきたいと考えています。

     マネジメント・コンサルティング部門
 山畑 毅

天竜の木を使ってみる(オーガニックアロマミスト編) 掲載号

新林 第7号の表紙

新林 第7号
木はどこからやって来る?

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