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新林

森を食べてみる クラシック編

キノコや山菜、クリなどの森の恵みは、現代も身近な食材として私たちの食卓に並びますが、栄養価が高いクリやクルミといった堅果(けんか)類は、日本人が縄文時代から親しんできた森のごちそうでした。特に、落葉広葉樹林が自生していた東北や関東では堅果類が豊富に実り、古くから堅果類の食文化が育まれてきました。また照葉樹林が広がる西日本には、朝鮮半島からカシの実料理が伝わるなど、堅果類の食文化を通じて森の植生と人の暮らしの関わりをみることができます。


どんぐりとは、コナラ、ミズナラ、クヌギ、カシワ、アラカシ、シラカシなどの堅果の総称で、日本に自生するどんぐりの木は22種類あります。

ドングリ(東日本)

東日本はブナ・コナラ・クヌギなどの落葉広葉樹林が多い地域。岩手県岩泉町では乾燥させたコナラの実をアク抜きし、砂糖や塩を加えて餡にしたものを使った「しだみ団子」など、ドングリ(しだみ)を使った郷土料理が継承されています。

ドングリ(西日本)

西日本はカシ・シイ・クスなどの照葉樹林が多い地域。スダジイやマテバシイ といったアクが少なくそのまま食べられるドングリが多く自生しています。また樫の実のデンプンから作った熊本の「樫の実こんにゃく」、高知の「かしきり(樫豆腐)」など、朝鮮渡来のドングリ料理を継承する地域があります。

クルミ 

全国的なクルミの産地・長野県東御市では、くるみ蕎麦やくるみ味噌、くるみの雑煮など、さまざまな料理でクルミが使われています。また東北地方では、栄養豊富な郷土菓子として、柚子の代わりにクルミを入れた「くるみ柚餅子(ゆべし)」が有名。

トチ

アクが強く、食べるまでに大変手間がかかる木の実として知られるトチの実は、東北をはじめ、全国の山間部で栃餅や栃の実煎餅として食されています。またトチの木は、初夏には穂状の花を咲かせ、養蜂の蜜源植物として大切にされているほか、建築材や家具材、楽器材としても用いられています。

クリ

アク抜きの必要がなく、甘くて美味しいクリは、縄文時代には主要食糧として食されてきた堅果類の代表格。もともとは東日本に多く生育していたものが、全国でクリの食文化が発達していたことから、古くからクリの栽培が行われてきたことがうかがえます。

森を食べてみる クラシック編 掲載号

新林 第4号の表紙

新林 第4号
森林の資源をつかってみる

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