新林 第6号
今、木を伐る理由を考えてみる
new forestory
- 今、木を伐る理由① 地域経済と生業
- 今、木を伐る理由② 防災
- 今、木を伐る理由③ 環境
- 「百年の森林」を育て「生きるを楽しむ」村をつくる 西粟倉村役場・地方創生推進室/上山隆浩さん
- 森林の生業を再構築する 株式会社 百森/田畑 直さん
- 子どもたちに森林を残すために 株式会社 木の里工房 木薫/代表 國里哲也さん
- 森林の世界はもっとずっと、面白い ちぐさ研究室/川上えりかさん 清水美波さん
- 都市の暮らしを守り、人と山の関わりを結び直す 神戸市役所・建設局防災課/田村悠旭さん
- 六甲山と都市で暮らす人々をつなぐ 公益財団法人 神戸市公園緑化協会
- スギの新しい価値を創造し、山の保水力を蘇らせる 〈神山しずくプロジェクト〉統括責任者 渡邉朋美さん(キネトスコープ社)
木こり活動レポート
森と〇〇
だれかひとりの力では成し遂げられないこと
300年以上続く林家の木こりさんが、1本の木を伐る前に、背筋を伸ばし、すっと手を合わせた美しい立ち姿を思い出しました。目の前にある約110年生の檜を植えてくれたおじいちゃんに「ごめん、ありがとう。」と伝えたということでした。植えた人がいて、管理してきた人がいて、木を伐る人がいる。当たり前のバトンにハッとさせられた瞬間でした。
木を伐るということだけでも、ひとりの力ではできず、過去から未来へ、どのようにバトンを繋ぐかということになります。一人ひとりの小さなアクションの積み重ねによって未来がつくられることを想像すると、自分の小さな行為もすぐには結果がでなくとも、遠い誰かにも繋がる未来へ開かれた行為だと信じながら、今と向き合いたいと思っています。
本号では「今、木を伐る理由」について、地域経済と生業、防災、環境と3つのテーマに沿って森林と関わる方々に取材をしました。行政・民間と敢えて線引きはしませんが、越境しながら、自分たちができることを実直に実践されている姿が印象的でした。課題を明確化し、共有することの大切さ。そして問いを続け、小さな挑戦を繰り返す体力。課題共有はリーダーシップが重要ですが、課題解決はひとりの力でできるほど小さなものではありません。本特集をきっかけに、山と山の知見を共有し、新しい森林文化を耕す所属を超えた仲間と繋がる一助になればと思います。
サステナビリティ推進室 吉岡優一
【紙と製本のこと】
今回は、環境配慮型の塗工印刷用紙・FSC®︎森林認証紙の「ジェントル」を使用しました。
FSC®︎マークは、適切に管理されたFSC®︎認証林、再生資源およびその他の管理された供給源からの原材料で作られていることを意味します。製本には環境に優しい「ペーパーホチキス」を使用しました。
編集:サステナビリティ推進室
編集協力:植野聡子
デザイン:村上亜沙美
イラスト:友野可奈子
写真:鈴木陽一郎
テキスト:神尾知里
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