新林 第8号

良質な原体験、そして熱量

新たに本誌編集に参画したメンバーから、「鳥を見つけようと思ったら、まず眼を閉じ聴くんです」と少し興奮した様子で、現地取材の内容を話してくれました。眼を閉じると、確かに聞こえてくる鳥のさえずり、今見えていなくても、確かに存在する。そのことに気付いた瞬間、空間を捉えるイメージが大きく変容することを実感します。私自身も森林の写真を見ていても、以前より明らかに読み取れる情報が増えました。それは様々な現場で、視覚以外の五感で感じる実体験として増やしているためです。一方で、経験を積むほどに、現場での良質な原体験にもとづく、小さな感動をどれだけ大切に育めるかが、熱量を保ち続けるために重要であることを強く感じています。
　本号では「企業の森づくり」というテーマで、企業と森林がどう関わりを持っているか、そこに関わる人の想いに、心を寄せたいと思いました。志(こころざし)があるところに、人が集まり、ひとりの力では到達できないことを成す企業のかたち。そこには必ず熱量を持って向き合う担当者がいます。もちろん、全てがうまくいくことばかりではありませんが、日々、小さな一歩があり、想いが繋がれていく姿がありました。私たちを取り巻く状況が激しく変化する現代において、実直に、試行錯誤を続ける企業から、新しい森林文化を耕す学びを得ていただけたら幸いです。

サステナビリティ推進室　吉岡優一

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【紙と製本のこと】
今回は表紙に「エコラシャ」を使用しました。風合いのある温かみのある紙です。
本文は「OKマットコートエコグリーンEF」。古紙パルプ60%以上配合し、フレッシュパルプには、持続可能性を目指したパルプを使用した森林認証製品です。
製本は開きがよく、丈夫なミシン綴じです。

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発行日：2024年11月15日
編集：サステナビリティ推進室
編集協力：植野聡子
デザイン：村上亜沙美
イラスト：友野可奈子
写真：鈴木陽一郎（提供写真除く）
テキスト：神尾知里・植野聡子・野田奈未紀
印刷：東海電子印刷株式会社
紙工：株式会社ペーパークラフトイトウ
製本：横井製本株式会社

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