新林A-Z 2025


新林ではこれまでに全国各地の森と人との関わり方を中心に、さまざまな記事をお届けしてきました。それぞれの記事の中には、これからの森林文化を知る上で欠かせない単語が溢れています。新林冊子版が5年目に突入するこのタイミングで、それらの単語をポスター形式にまとめてみました。ぜひ下記のダウンロードリンクからデータを両面印刷して、ご家庭や学校、職場などで掲示してください。
*新林A-Zはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC)によって保護されています。原作者のクレジットを表示し、かつ非営利目的であり、そして元の作品を改変しないことを主な条件に、自由に再配布が可能です。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
WEB版新林でもA-Z内のいくつかの単語が使用されています、ぜひ意味を知った上で改めてそれぞれの記事を読んでみませんか?
A:圧縮木材
主に針葉樹の木材を繊維に対して垂直に加熱圧縮する技術。本来柔らかい性質の樹種を圧縮することで強度や安定性が向上する。
B:歩留まり
製造業全般における材料の利用効率のことを指す。林業でも材の歩留まりを高めることが環境的・経済的な持続可能性に直結している。
C:カスケード利用
カスケード=階段状の滝のこと。木材を高付加価値の用途(建築材や家具)から燃料材まで段階的に余すところなく利用する資源活用方法。
D:デジタル林業
立木の調査から伐採・流通にいたる林業活動全般にデジタル技術を導入することで生産性・安全性・収益性の向上を図る。
E:エコツーリズム
自然、歴史、文化など地域固有の資源を適切な管理で保護・保全をはかり、永続的な観光の成立を目指す考え方。
F:FSC認証
持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した「適切な森林管理」を認証する国際的な制度。
G:ジビエ
狩猟で得た野生動物の食肉を意味する言葉。有害鳥獣を有効活用する手段として取り組む事業者が増えている。
H:放置林
適切な管理が行われず、伐採や間伐が滞っている森林。過密状態で木の成長が悪化し、生態系や植生が乱れ、土砂災害のリスクも高まる。
I:移動式集材機
移動式製材機があれば伐採現場での丸太加工が可能に。輸送コストが削減され小規模な林業家でも効率的な伐採ができる。
J:J-クレジット制度
CO₂削減の取り組みを「クレジット」として評価し売買取引を可能にする仕組み。林業の新たな収益源を創出する日本独自の制度。
K:高性能林業機械
伐採・集材・運搬などの作業を効率化する先進的な重機のこと。作業負担を軽減し安全性や生産性の向上に繋がる。
L:レーザー航測
航空機やドローンに搭載したレーザーで森林の地形や樹高などを正確に測定する技術。GISに比べて狭い範囲を高精度に分析することが得意。
M:毎木調査
指定した調査範囲内の全ての樹木を対象として、幹の太さや種名、位置を記録する調査方法。森林資源の正確な把握につながる。
N:担い手
林業従事者をはじめとして、森林の維持や管理を担う上で最重要な存在だが、高齢化や若年層の減少により数が減少している。
O:(カーボン)オフセット
事業などで排出されたCO₂などの温室効果ガスを、別の場所での削減・吸収活動(植林や再生可能エネルギー導入など)で相殺する考え方。
P:パーマカルチャー
permanent(永続的な)+agriculture(農業)+culture(文化)の造語。永続的な循環型農業を中心とした持続可能な社会実現を目標にする理念。
Q:急傾斜林
急峻な山林の多い日本国内の林業地は30度を超えるような林地も珍しくなく、伐採や植林作業に高い技術と労力が求められている。
R:林相転換
針葉樹林、広葉樹林、針広混交林といった森林の様相を、災害や花粉の対策などの目的に応じて樹種の植え替えにより転換すること。
S:新林環境贈与税
2019年度から始まった税制度。市町村による森林整備の財源として、森林面積や林業就業者数及び人口などに応じて国から譲与される。
T:大径木
たいけいぼくと読む。大木ゆえに伐採や加工が難しかったが、近年の大型加工機の発達などにより活用の道が開けてきた。
U:運材アクティビティ
林業最盛期の頃に全国各地で利用されていたトロッコやイカダなどの運材インフラが体験型観光資源として再活用されている。
V:VR林業教育
VR(バーチャル・リアリティ)技術によってチェンソーなどの危険を伴う作業を安全に学ぶことができる。人材育成に活用が期待されている。
W:ウッドバイオマス
間伐材や未利用材などをチップ状に加工し、燃料として活用して電力を生み出す再生可能エネルギー資源のこと。
X:クロス・ラミネイティド・ティンバー(CLT)
本当はC。Cross Laminated Timber=CLTは、木板を直交方向に交互に重ねて接着した建材。小径木でも大型木造建築に活用できるようになる。
Y:山の集約化
複数の森林所有者が混在する森林の所有権を一本化することで、効率的な森林整備や木材生産を可能にする方法。
Z:ゼロ・ウェイスト
廃棄物を出さず、全ての資源の再利用を目指す取り組み。国内では徳島県上勝町が「ゼロ・ウェイスト宣言」を掲げている。






